「明日から来なくていいよ」「お前はクビだ!」
ドラマや小説、漫画などで解雇を言い渡されるときによく使われるセリフです。
しかし、もしあなたが突然そのようなことを言われたら、どのように対応すべきか、途方に暮れてしまうのではないでしょうか。
このコラムでは、不当な解雇だと思った時に、どのような対応をとるべきかについて解説します。
まずは前提として、解雇を受け入れる態度は示さないようにしましょう。特に、退職する旨の書面へのサインや、退職金の請求はしないようにしてください。合意退職だったなどとして、会社から争われ、取り返しのつかないことになってしまいます。
その上で、解雇を争う場合においては、そもそも解雇なのかどうか、早期に固めておく必要があります。会社が、後から「あれは解雇ではなかった」などと言ってくることもあるからです。
また、解雇の理由についても明確にしてもらっておくべきです。解雇の理由がわからなければ、不当かどうかの判断ができないからです。もっとも、理由も示せないようでは、有効な解雇とは言いがたいようにも思われるところですが。
以上の証拠の問題については、次のような書面の交付を求めることが有効です。
①解雇通知書(解雇前であれば、解雇予告通知書)
解雇をしたこと、又は解雇をすることを記載した書面です。これを取得することにより、解雇の事実そのものを争われることを防ぐことができます。
②解雇理由証明書
名前通り、解雇の理由を記載した書面です。これを取得することにより、解雇の理由を明確にすることができます。
解雇理由証明書については、労働基準法22条1項により会社は交付する義務を負っており、これに違反した場合には、30万円以下の罰金刑も定められていますので(労働基準法120条1号)、ぜひ活用するようにしましょう。
これらの書類がそろったら、直ちに弁護士に相談してください。解雇理由証明書には、就業規則の条文が挙げられていることも多いですから、取得できるのであれば、就業規則もあれば、よりスムーズな相談が可能です。
弁護士に相談した後は、相談の内容に応じ、会社との交渉や労働審判、訴訟などの選択肢を検討していくこととなります。
解雇を言い渡されるのは突然のことですから、その対応は難しいものとなります。証拠の問題については弁護士に相談した後でもなんとかはなることが多いので、解雇を受け入れる様なことだけはしないようにしていただき、初動対応も含めてすぐに弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士 川上弘達

